- 経営工学がどんな学問なのかが分かる。
- 経営工学科でどんな学問が学べるのかが分かる。
- 経営工学科出身の大学生がどんな所に就職しているのかが分かる。
こんにちは!しゅんです!
いきなりですが経営工学って聞いたことありますか?結構知らない人もいるんではないでしょうか。(ちなみにぼくは大学生になってから知りました笑)
そこで今回の記事では経営工学専門の現役理系大学3年生のぼくが、経営工学とは何かについて解説していきたいと思います!
大学の学科選びなどに悩んでいる人はぜひ参考にしてください!
今回は経営工学ので学べることと、主な就職先について紹介したいと思います!
別の記事で経営工の特徴についても解説しているので、そちらの記事も併せてご覧ください!
普段は組合せ最適化の記事を書いてたりします。
ぜひ他の記事も読んでみてください!
このブログの簡単な紹介はこちらに書いてあります。
興味があったら見てみてください。
このブログでは経営工学を勉強している現役理系大学生が、経営工学に関することを色々話していきます!
ぼくが経営工学を勉強している中で感じたことや、興味深かったことを皆さんと共有出来たら良いなと思っています。
そもそも経営工学とは何なのでしょうか。Wikipediaによると
経営工学(けいえいこうがく、英: engineering management)は、人・材料・装置・情報・エネルギーを総合したシステムの設計・改善・確立に関する活動である。そのシステムから得られる結果を明示し、予測し、評価するために、工学的な分析・設計の原理・方法とともに、数学、物理および社会科学の専門知識と経験を利用する。
引用元 : 経営工学 – Wikipedia
長々と書いてありますが、要は経営、経済の課題を理系的な観点から解決する学問です。
経営工学ってなに?
そもそも経営工学とはどんな学問なのかを知らない人も多いと思います。Wikipediaによると
経営工学(けいえいこうがく、英: engineering management)は、人・材料・装置・情報・エネルギーを総合したシステムの設計・改善・確立に関する活動である。そのシステムから得られる結果を明示し、予測し、評価するために、工学的な分析・設計の原理・方法とともに、数学、物理および社会科学の専門知識と経験を利用する。
と書いてありまが、何言っているか全然わかりませんね。経営工学を一言で説明すると
経営・経済の課題を理系的な側面から解決する学問
です。とは言ってもまだあまりよくわからないと思うので具体的に経営工学で何が勉強できるのかについて解説していきたいと思います!
経営工学で勉強できること
ここからは実際に大学で経営工学を専門としたときに勉強できる分野を1つずつ解説していきたいと思います!
まず初めにざっと列挙しておきます。
- 経済学
- 経営学、マーケティング、会計
- 基礎数理
- 確率論
- 統計学
- OR(オペレーションズリサーチ)
- ゲーム理論
- プログラミング
- IE(インダストリアル・エンジニアリング)
もちろんこれ以外にも勉強できることはありますが上記のもので大体はカバーできていると思います。またここで挙げた学問はあくまでぼくの大学の経営工学科で学べるものですので、もしかしたら他の大学だと学べないものがあるかもしれません。あくまで1つの例として参考にしてください!
それでは1つずつ解説していきましょう!
経済学
これは高校生の人も知っている学問ではないでしょうか。一応超ざっくり説明しておくと経済学は様々な経済活動について研究する学問です。
経済学はざっくり個々の消費者、企業、市場の経済を対象とするミクロ経済学と、国全体や世界全体など、より大きな視点の経済について考えるマクロ経済学の2つに分かれます。
両方とも数学を多用するのでやはり経済学を学びたい人は数学の知識が必要になってきます。
経営工学は理系学科に分類されるので専門としている人は基本的にみんな数学の知識がありますね。
そのためぼくの大学のミクロ経済学の授業ではいきなり偏微分やラグランジュの未定乗数法などをゴリゴリに使って問題を解いていきました笑
このほかにも計量経済学や実験経済学といった経済学も学ぶことができます。実験経済学の授業は経済学の理論を勉強し実際にそれが成立しているか実験をするという授業で結構楽しかったです。
経営学、マーケティング、会計学
経営工学という名前の通り経営学を学ぶことができます。その他にもぼくの通っていた大学ではマーケティングや会計学についても学ぶことができました。
経営学
経営学といっても
- 経営戦略論
- 経営組織論
- 経営管理
- 経営財務
- M&A
など学べることは多岐にわたります。ぼくが取っていた経営の授業では実際にモルガン・スタンレーで働いている人をゲストに呼んでいました。
ぼくが驚いたのは経営学でも数学を使ったことです。ぼくのイメージでは経済学は数学を使うけど経営学は数学を使わないものだと思っていましたが、全然数学を使いました笑
特に経営財務の授業では
・保有する株の比率
・市場ポートフォリオと個別株の保有比率
・金利と債券の価格変動
・投資意思決定
・株式価値評価
などなど様々な分野で数学を多用しました。
マーケティング、会計学
マーケティングを簡単に説明すると、どうやって効果的に物やサービスを顧客に提供できるかを勉強する学問です。
競合他社との差別化や、価格設定、新製品開発などをどうやって効果的に行うかを学ぶことができます。
会計学とは企業が公開している財務諸表を読み取る方法や作成する方法を学ぶ学問です。財務諸表とは企業が持っている資産や負債、利益や費用などを細かく書いてくれている表のことです。
これらは企業分析をするうえで非常に重要なものなので、個人的には勉強して良かったなと思っています。また財務諸表の書き方も勉強することができるので、簿記の勉強にもなります。
基礎的な数学
やはり経営工学では数学をよく使うので数学の基礎的な知識を学ぶことができる授業がいくつかあります。
自分の場合は特に代数学と解析学を中心に学びました。
代数学:高校数学でいうベクトル
解析学:高校数学でいう微分積分
こういった数学の基礎を勉強しながら、確率・統計・オペレーションズリサーチといった応用的な数学も勉強していきます。
確率論
確率論も数学の分野です。高校数学の確率をもっと発展させたことをやったりします。もしかしたら聞いたことがあるかもしれませんが確率論では確率分布というものを扱います。
確率分布を簡単に表すと、この状態になる確率はこれくらいというのを関数にして表したものです。
これを使って色々な計算をしたりします。(自分は確率論がめっちゃ苦手だったのであんま詳しくないです笑)
そして確率論はこの後に紹介する統計学で必要になってきます。
統計学
統計学は簡単に言うと確率論で学んだことを使ってデータ分析をする学問です。例えば大学の模試判定なんかがそうですね。
模試の判定は今までの学生の点数や偏差値と実際にその学生が大学に合格したかなどの情報を組み合わせて模試判定を出したりしています。
これは統計学が使われている分かりやすい事例ですね。昨今データサイエンスが注目されている中でこの統計学というのはデータサイエンスにかかせない学問となっています。
OR(オペレーションズリサーチ)
これは初めて聞いた人も多いんじゃないでしょうか。簡単に説明するとORとは様々な問題に対して数学の知識を使って最適解を求める学問です。
高校数学でいうと線形計画法がORで登場する解法の1つです。大学に入ると線形計画法以外にもいろいろな解法や問題を学びます。有名なのがナップサック問題とかですかね。
ナップサック問題を簡単に説明します。今15kgまで持ち運べるリュックを持っていて、そこに複数の物を入れて持ち運びたいとします。このとき15kg以内という制約の中で、どのような組合せでナップサックに物を入れるのが一番うれしいかという問題を解きます。
実際には運びたい物それぞれの重量と持っていきたい度合いを数値化して計算します。
ぼくが受けた授業ではこれの応用として1500円を持って寿司屋に行くときに何を食べれば一番満足するかを求める課題が出ました。結構楽しかったです笑
ゲーム理論
名前だけ聞くととても楽しそうな学問ですよね。実際に面白い学問ですがスマホゲームとかをするわけではないです。簡単に説明するとゲーム理論とは複数の人が何かをするときに全員にとって一番良い選択肢は何かを数理的に分析する学問です。
ゲーム理論には協力ゲーム理論と非協力ゲーム理論があります。これらの大きな違いはプレイヤーの間での協力があるかどうかです。(当然他にも違いはあります。)
もしかしたら囚人のジレンマという言葉を聞いたことがあるかもしれませんがこれはゲーム理論の言葉です。
もし気になる人がいたら調べてみてください!
プログラミング
実は経営工学でもプログラミングは学ぶことができるんです。自分が受けた授業ではpythonという言語を使ってプログラミングを行いました。
ぼくは大学生になって初めてプログラミングというものをしたんですけど、if文やfor文などの基本的なものから教えてくれたので非常にわかりやすかったです。
さらに経営工学分野のプログラミングでは、上記のような数理的な分析手法をプログラミングでやる方法を勉強します。
例えばORや統計はデータ量が多くて手計算でやるのは不可能なんですよね。データの数が片手で数えられるくらいなら手計算でもできますが現実の問題を扱うときは数万のデータを扱うときもあります。そういう場合はコンピュータにやってもらいます。
さらにそこから発展させてデータ分析、機械学習の手法まで学ぶことができます。まさにデータサイエンスの授業で非常に実用的な授業だと感じます。
IE(インダストリアル・エンジニアリング)
めっちゃ名前かっこいいですよね。ぼくも名前がかっこよかったからこの授業を取りました。ぼくの知識では簡単に説明するのが難しいのでWikipediaの説明を持ってきました。
日本IE協会は、「IEは、人間、材料、および設備が一体となって機能を発揮するマネジメント・システムの設計、改良、設置をすることである。前記システムの成果を規定し、予測し、評価するために、数学、自然科学、人文科学中の特定の知識を利用するとともに、技術上の分析と総合についての原理と手法を併用する」としている。これらを全体的に捉えれば、経営管理の問題解決に必要なエンジニアリングアプローチといえる。
何言ってるかちょっとわかんないですけど要は企業が様々なヒト、モノ、カネ、情報といった資源を効率的に活用するための分析をする学問って感じですかね。
ぼくが受けた授業では、手持ち掃除機の組み立てを動画に撮って「左手を動かす」や「物をつかむ」などの動作1個1個の時間を測って無駄な動作がないかを検証しました。結構大変でしたけど実習は面白かったです。
ちなみにぼくの大学ではIEの他にも似たような授業はいくつかありました。
今まで様々な学問を紹介してきましたが、それらと比べてIEはより人間にフォーカスしている気がします。そのため実際に人間の行動や心理を考慮に入れて分析します。そのため経営工学の分野では珍しく実習がありました。
まとめると理系なのに文系の学問を勉強できる
これまでのことをまとめると、理系だけど経営工学系で学べる学問は文系の学問(特に経営・経済系)が結構多いです。
ぼくがイメージする理系は実験・実習をたくさんするものでしたが、逆に経営工学科ではそれらをほとんど行いませんでした。しかし数学はめっちゃ使うので、その点では理系の学科と言えそうです。
数学が得意だけどあんまり理系っぽいことはやりたくない人や、数学好きだけど経営・経済を学びたい人にとっては経営工学は非常にオススメできます。
経営工学科出身の人たちの就職先
それでは最後に経営工学を専門とした人たちがどのような企業に就職するのかを解説したいと思います!
初めに言っておきますがこれもあくまでぼくの大学についての話なので、もしかしたら他の大学では少し違う状況かもしれません。あくまで参考として見ていってください!
まず初めに主な就職先を列挙しておきます。
・銀行
・コンサル
・商社
・IT系
・メーカー
結論色んな業種に就職していました笑
というのも経営工学科はやはり文系色が強いので結構文系就職が多かったです。もちろんメーカーに就職する人やIT企業に就職する人もいます。しかしやはり経営、マーケティング、戦略論、マネジメントなどを学んでいるのでそれらを生かすコンサルや商社や外銀の就職をよく聞きます。
ぼくの友人も何人か外資の銀行のインターンシップに応募したと言っていました。
後はデータサイエンスも学んでいるのでそれを生かしてデータサイエンティストになる人もいます。また数理的な方に特化してアルゴリズムに強いエンジニアを目指している人もいます。
これはぼくが企業説明会で聞いた話なんですけど、銀行、コンサル、商社といった企業に就職する人は文系出身の人の方が多いので、理系的な思考ができる人を欲しているそうです。その点では経営工学の就職は結構良いんじゃないかなと思います。
おわりに
いかがでしたか!
経営工学のことがうまく伝わっていると嬉しいです。ぼくは大学に入学した当初は情報工学を勉強しようと思っていました。
経営工学のことなんて全く分からなかったです。でも今となっては経営工学も結構楽しいなと思っています。経営工学を専門とすると学べることの範囲も広いです。
・理系志望だけど割と文系寄りのことがしたい人
・国語が苦手だけど経済、経営が学びたい人
このような人にとって経営工学は非常に魅力的な学問です!もしまだ進路が明確になっていない人はぜひ参考にしてみてください!
最後までこの記事を読んでくれてありがとうございました!
この記事が役に立ったら幸いです。